「みんなでつくる中国山地2019 のろし号」が発刊
このほど「中国山地編集舎」という中国山地のいまを伝え、日本社会の未来を考えることをテーマにした雑誌をつくる組織が島根県邑南町で立ち上がりました。
のろし号は2020年東京オリンピック後をある種の価値観の転換が起こるチャンスと捉えて「過疎は終わった!」という衝撃(笑劇?)的な見出しが目を引きます。
中国山地の過疎が起こったいきさつ、現状そして中国山地に価値を感じて活動している人たちのことがつづられています。
雑誌らしく美しい写真が豊富に載っています。
この本の面白いところは「リバーシブル」という点です。
A面ページそして反対側がB面ページとなっていてそれぞれが非対称となっています。
本の真ん中にCページというレイアウトです。
遊び心がある本です。
私はこの本を邑南町阿須那にあるゲストハウス&カフェmikkeで手に入れました。
借りたお家のすぐ近くです。
話は変わりますがこのmikke、最近 Twitterを始められました。
@AsunaMikke
ぜひチェックしてみてください。
お家の最終的な片付けと打ち合わせをしました
2020年1月8日、邑南町阿須那のお家の最終的な片付けをしました。
邑南町の役場の方と地域おこし協力隊の方に手伝っていただきました。
当初、役場の方に産業廃棄物業者を紹介してほしいと打診したところ「手伝いますよ」とおっしゃっていただきみなさんとお家を片付ける流れになりました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
都市部ですと業者さんを入れてサッと片付ける方法が一般的でしょうがここでは地域の方みなさんで片付けなど何かを成し遂げるのが普遍的なのでしょう。
確かにお金を払って一気に片付けてしまう方が楽ですがこのようにみなさんで力を合わせて片付ける方がこのお家に対して興味を持ってもらえるし何よりもお金もかからないので良かったです。
昼食は役場の方のMさんのお宅で一つのお弁当をシェアしました。
「イイ!」
なんだかこころ温まる新感覚な昼食でした。
午後は川本町の処分場へ不要物を搬入して終了です。
お家の中はスッキリして改修ができる状態になりました。
翌日もまた行く予定でしたので安芸高田市にある芸備線甲立駅前の駐車場にクルマを泊めて広島の自宅に帰ることにしました。
いわゆるパーク&ライドです。
駅前の酒屋さんでおつまみとお酒を買いました。
いつかやってみたかった芸備線の呑み鉄プチ旅です。
心地よく酔いました。
そして大都会・広島。
邑南町は「トカイナカ生活」ができます。
正月休み明けの広島の繁華街・流川をさまよいました。
とても静かでした。
改修費を捻出しないといけないので飲み歩くお金がありません。
カレ汁が名物で広島の深夜食堂「新京」で一杯やりました。
翌日9日、甲立駅まで列車利用です。
途中、三次市の国道54号線沿いにあるゆめランド布野に立ち寄りました。
そこのレストランではランチバイキングをしていてここで昼食にしました。
ここはお勧めです。
9日は午後から地元の建設会社・増田住建さんとおおなんDIY木の学校担当の地域おこし協力隊の方、そして役場の方の四者で改修に関する打ち合わせをしました。
お家や屋根と床下が大事だそうでパッと見る限り問題ないとのことでした。
そして私が「床張りとかできそうなところはDIY、台所やお風呂はまるっと増田住建さんにお任せする」という改修プランを提示しました。
次に役場の方、M氏が改修の進め方をおっしゃられます。
「まるっとお任せする部分はなくして極力DIYでやってみよう。増田住建さんは基本DIYの監修としての位置づけでいてもらいたい」
「最初からさじを投げずにDIYでできるならその分費用も少なくて済むしやった分だけ自分たちのキャリアになるのだから」
はい、おっしゃる通りです。
私の本職は半導体製造装置の故障対応と保全なのですが自前で行う保全と修理、装置を作ったメーカーが行う技術的に高度な保全と修理があります。
会社としては装置メーカーでやっている作業を自前化した方がコスト削減従業員のキャリア形成につながるので自前化作業を推奨しています。
これと全く同じ、M氏がおっしゃっていることが心に突き刺さりました。
「いいえ、できないし面倒だからやりません」とは言えませんでした。
否定などできやしない、職業病が発症した形になりました。
またM氏が会社の上司に見えて仕方がありませんでした。
ところで早速来月2月から改修に取り掛かることになりました。
邑南町の事業として押し入れを就寝スペースとしてリノベーションするというのがあるそうでこれを2月までにすると予算が出るという話でした。
▲これは近くのゲストハウスmikkeの押し入れを就寝スペース化したものです。
私のところで町の事業を受け入れて押し入れを就寝スペース化することにしました。
したがって来月から改修がスタートすることになりました。
ただ私はこのmikke就寝スペースをさらに進化させてスライド式の本棚を設けます。
また内側にも本棚を設けます。
この中で本を読みながら寝ることができるようにします。
この改修は2月9日(日)、10日(月)、11日(火・祝)の3日間でやります。
時間は各日10時から16時を予定しています。
そして改修をやってみたい方を募集します。
詳細が決まりましたら随時紙楽社のホームページでお知らせします。
ご参加していただければ喜びます。
どうぞよろしくお願いします。
借りた阿須那のお家に泊まってみました
2019年12月13日(金)はゲストハウス&カフェ「mikke」で月1回金曜日のBar営業がありました。
そして広島から旅する餃子屋「NERU」さんが餃子を作りに来られていました。
私はそのmikkeのBar営業に行きましたがお客さんの多彩な顔ぶれに驚きました。
一言でいえば「フレッシュ」でした。
食べて飲んで笑って歌ってととても楽しい時間を過ごしました。
阿須那、最高です。
そしてその後、まだ改修が終わっていない自分が借りたお家に泊まりました。
畳の状態が悪いので新聞紙を敷いてをの上に布団を敷いて寝ました。
寒い!
朝、外に出ると池月酒造から湯気が立ち上っていました。
季節は冬、醸造真っ盛りです。
お家の改修、おおなんDIY木の学校の2件目にするのか、あるいはワークショップ的なスタンスにするのか、自分だけでするのか。
まだ揺れている中での冬の始まりです。
おおなんDIY木の学校ワークショップに参加しました
2019年12月7日(土)はおおなんDIY木の学校のワークショップに参加しました。
正式な旧服部医院の改修現場での講習は終わりましたが講習のスピンオフ的な位置づけとしてワークショップは続けられています。
おおなんDIY木の学校がスタートしたのは8月の終わりのまだ残暑が厳しい時でした。
あれから4ヵ月弱、季節はすっかり冬となりました。
旧服部医院の改修はまだ道半ばです。
今回の題目はうづい通信部で使う椅子づくりです。
椅子に加えてドリンクテーブルも付け加えたとてもユニークで機能的な椅子づくりとなりました。
旧服部医院の前に仮設のテーブルを設けて作業スタートです。
私は何度か講習やワークショップに参加しましたので材料の切り方などコツをつかんできました。
最初の1脚目は講師であるフラットスタイルの松崎さんと一緒にみなさんで作りました。
2脚目からは各自各々1脚ずつ自分で作るというスタンスでした。
1脚目を参考にしながらアタフタしながらまた失敗しながら何とか完成にこぎつけました。
ワークショップと平行して地元の方が改修作業をされていました。
少しづつ改修は進んでいます。
完成がとても楽しみです。
ご近所さんに入居の挨拶まわりをしました
相変わらず疲弊している状態ではありますが活動を滞らせるわけにはいきません。
11月4日(月)、阿須那の街を丸ごと楽しむイベント「ぶらすな」の開催に合わせて私が借りたお家も開放しました。
当日のようすは上記のレポートをご参照ください。
さて、私が趣味で行っている活動「紙楽社」はとらえどころがないいわゆる「サブカルチャー」であるといえます。
「これからこのお家で本屋さんを始めます。」とか「カフェを始めます。」であるなら保守的な中山間地域でも理解はあるでしょう。
しかしこれがサブカルチャーを展開するとなれば地域の方に理解されるには難儀なことが予想されます。
このような前置きを書いたのには理由があります。
お家を開放するにあたって告知の張り紙をしたのですがこれが少々ご近所で物議をかましたそうなのです。
もちろんお家の賃貸借契約は書面で締結していますし、張り紙の内容も何ら公序良俗に反する内容でもありません。
少々私は腹立たしい思いをしたのですがここは我慢。
私のような都市住民と田舎の人ではご近所に対する意識レベルが違います。
この違いが形となって表れてしまったのです。
地域の方の目線に合わせ優しくなるというスタンスが必要だと感じました。
地元の方に安心してもらうためすぐに挨拶まわりをすることにしました。
総じていえばみなさん歓迎モードでした。
ただし空き家の多さを実感しました。
これから色々とまた問題が出てくることでしょう。
広島での日常生活でも疲弊し、休日に邑南町に行っても疲弊する日々です。
今は踏ん張り時だと思っています。
しかし私はドMだなと感じるこの頃です。
疲労が溜まらない程度にぼちぼちと
会社の規模が徐々に拡大していてそれに比例して仕事の負担が重くなってきています。
このような状況の中、休日サイクルのたびに邑南町に出向いておおなんDIY木の学校のプログラムを受講したりワークショップに参加しています。
借りたお家の片づけもしています。
その結果、広島の生活においてきちんとした自炊ができなかったり部屋が散らかり始めました。
また心身の疲労の重さを感じるようになりました。
私は2地域居住を楽しむ上で守っていることとして、生活の基盤である居住地(私の場合広島)での生活を乱さない程度で行うことです。
ここ最近、広島での生活が乱れ始めました。
このブログの更新も途絶えてます。
ブレーキです。
ペースを落とします。
借りたお家の改築の進捗にも影響が出ます。
全然かまいません。
仕事に影響が出てはいけません。
体調不良に陥ってはいけません。
11月12月は邑南町から少し離れて広島でゆっくりします。
またリフレッシュのため、関西に出かけたりします。
本屋巡したりはしご酒したり。
心と体の休養です。
おおなんDIY木の学校-自然塗装受講レポート-
島根県邑南町の実際の空き家改修現場を舞台にDIYリノベーションの技術が実践で学べるプログラム「おおなんDIY木の学校」の中にあるカリキュラム「自然塗装」を受講しました。
このカリキュラムは植物油をベースにした自然塗料を使って無垢の木の床や家具への塗装方法を学べるというものです。
自然塗装の日程は9月10日(火)と11日(水)の1泊2日でした。
今回舞台となる現場は阿須那にあるゲストハウスとカフェ「mikke」でした。
このmikkeの床は無垢の杉板が使用されていますがまだ未塗装の状態でした。
またテーブルが3台ありますがいずれも ウレテンコーティングが施されていて一度コーティングをはがし、自然塗装に塗り替えるという内容でした。
8月末に自然塗装のカリキュラムを申し込んだときは申し込み人数が少なく、開催しない可能性があるとのことでしたが、結果的に平日開催にもかかわらず私を含めて5名の参加となりました。
初日はmikkeに集合し、13時から講義がスタートしました。
講師は自然塗料やワックスを扱っている会社「アールジェイ株式会社」の川村さんです。
まずはガイダンスと自己紹介からです。
他の参加者のみなさんは島根の出雲地方の方でした。
私以外のみなさん、この阿須那に来る道がいまいちよく分からずまた道に迷った方もおられました。
出雲の人にとって邑南町、特に羽須美地区は「秘境」なのかもしれません。
反面、私にとって羽須美は「三次のちょっと先」です。
塗料の種類や道具の紹介から講義がスタートしました。
mikkeの床への塗装は初日が2階、2日目が1階で行うということで2階へ移動し塗装の講義が開始しました。
誉 池月の醸造所が見える窓際の造り付けカウンターから塗装が始まりました。
窓を取り払ったので眺めが尚更いいです。
塗装は養生、素地調整(研磨)、塗装の3つのプロセスから成ることを学び実践しました。
暑い中汗をかきながら養生、研磨、塗装を施していきました。
この滴る汗が厄介で床に汗の滴が落ちるとそれが塗装をしたときに跡が残るそうなので汗を床に落とさないよう、落としたらきれいにふき取ることを意識しながら作業しました。
作業途中、何やら外が騒がしくなりました。
国会議員の方がおおなんDIY木の学校の視察に来られました。
おおなんDIY木の学校は総務省が推進する関係人口創出事業のひとつということで視察に来られたようです。
完成、塗装前と比べて木の木目がはっきりと浮き出ました。
またツヤも出て高級感が出ました。
使った塗料はいろはのクリアで顔料なしです。
実践の講義が終わったら夕食まで自然塗装についての座学でした。
座学が終わり夕食です。
メニューはイノシシ肉のカレーとサラダ、空心菜の炒め物でした。
私好みの味、普通におかわりしました。
これもおおなんDIY木の学校の楽しみのひとつです。
しばしの参加者同士の交流タイム。
島根県は出雲と石見の2地域に大きく分かれますが、両者の違いの話が聞けて面白かったです。
とにかく愉快でユニークな参加メンバーでした。
ただ邑南町は石見というより限りなく「安芸」かなと私は感じています。
国会議員さんが乗って来た車の車列がほぼマツダ車だった点からもそう感じます。
広島ではフォーマルな出来事で使用される車はだいたいマツダ車です。
邑南町にはマツダ関連の会社があるからそうなのでしょう。
私の地元、広島市安芸区と違和感が全くありません。
宿泊は花桃で有名な川角集落にある桃源の館でした。
茅葺屋根の古民家を個人で改修されて民泊とレンタルスペースとして利用されています。
ここのご主人から個人で古民家を改修するに至った思いや草刈りなど川角集落の景観を維持する苦労など夜遅くまで聞きました。
朝食は店舗を持たずイベントなどでコーヒーはもちろん、コーヒーの焙煎や豆の販売をしている三上さんが桃源の館に出向いて用意してくださいました。
白身魚のあんかけで朝から豪華でした。
三上さんはコーヒーだけでなく、料理もできます。
川角集落を散歩、静かでしっとりとした朝でした。
再びmikkeに移動し2日目は1階の床の塗装です。
mikkeの店主、内藤さんも作業に加わりました。
昨日と同じことをするので詳しいレクチャーはなく作業は淡々と進みました。
午後から会場を口羽のほたるの館に移しmikkeにあったテーブル3台を自然塗料に塗り替える作業をしました。
ウレタンコートが施されていましたので一度サンダーではがし再塗装でした。
ウレタンコートをはがすことが一苦労でした。
自然塗装を施し、こちらも木の木目が浮き立ち高級感が出ました。
あっという間の1泊2日の講義が終了、連絡先の交換をし合って、またの再開を願って解散しました。
技術が身に付いた、面白い人に出会えた、mikkeのグレード向上に貢献したという3本得のおおなんDIY木の学校の自然塗装でした。